設立趣意書

■特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 設立趣旨書 2007年8月

1.変わる社会と市民活動

今、市民活動の世界が大きく変化してきています。
人権、福祉、まちづくり、健康・医療、環境、国際協力、開発、男女共同参画、教育、消費者保護、芸術・文化など、多分野にわたり、また、国内問題から、国際的規模の問題への取り組みに至るまで、私たちの世界のあらゆる局面で、市民活動が大きな役割を果たすようになってきています。

これらの市民活動は、活動の形態は多様ですが、社会的な目標を掲げ、営利を目的とせず、市民の自発的努力と支持と参加に基礎を置き、組織を基盤とし、社会への革新を提案していっていることが特徴です。

経済の安定成長が続き、市民のニーズが多元化したこと、行政が提供できるサービスの限界がますます明らかになってきたこと、企業も市民社会の一員としての責任を果たす必要が求められるようになってきたことが、いっそう市民活動への期待を高めていっているのです。

2.進む市民活動を支える基盤づくり

1994年に、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会が任意団体としてスタートしたとき、このような市民活動の基盤となる制度や仕組みは、極めて脆弱なものでした。

当時、ますます重要になるであろう市民活動の制度上の課題を解決するために、シーズは、①NPO法の創設、②認定NPO法人制度の創設、③NPO法人の情報開示制度の創設の3つの「制度をつくる」ことを目的に設立されました。

国会議員、NPO、市民等との広範な協力のもと、シーズは、1998年にNPO法を、そしてそれに含める形で、NPO法人の情報開示制度を創設しました。また、2001年には、認定NPO法人制度も創設しました。

さらに、その制度の改善にも取り組み、2003年にはNPO法の改正を、2002年、03年、05年、06年の4度にわたり、認定NPO法人制度の改正を実現してきました。

また、2003年には、公益法人制度改革に伴い、NPO法が廃止されそうになる状況もありましたが、これも、制度を存続するよう働きかけ、NPO法を公益法人制度改革から分離するということも行なってきました。

NPO法は、日本の市民活動を支える基盤として、現在では、3万以上のNPO法人を生み、行政や企業がNPOとパートナーシップを組んだり、市民がNPO活動に参加したり、支持を広げていく場合の基本的仕組みとして、広く活用されるに至っています。

この成果は、私たちシーズのメンバーの大きな誇りとするところです。

3.市民活動の社会的基盤を強化する

しかし、基本となる制度が整備されていき、NPO法人の数が増えていくにつれ、新しい課題が現れてきています。

NPO法人への関心が高まるにつれ、一方で、NPO法人の活動への理解がその関心についていっていないという状態が生まれてきています。また、多くのNPO法人は、資金獲得や人材確保の点で大きな困難を抱えています。

NPO法を濫用して、違法な行為を働く団体もあり、NPO法人の信頼性をいかに高めていくかも大きな課題となってきています。

このような課題に、早急に、適切に対応しなければ、せっかく出来たNPO法人制度も、早晩大きな危機に直面することが予想されます。

このような課題の解決のためには、NPO法人制度をいっそう改善していくことが不可欠です。同時に、NPOの社会的理解を促進し、支援者、参加者を増やす仕組みを構築していくことが求められています。

4.新しい社会をめざして

現代社会が直面している諸問題は、私たち市民一人ひとりの責任において取り組むべき問題として現れています。私たちは、このような自覚に基づき、将来にわたりその責任を果たすべく、市民としての主体的な取り組みをさらに発展させていかなければなりません。

私たちがめざす社会は、互いに思いやり、助け合う社会、そして一人ひとりの意志と生き方を大切にする社会、市民が公共政策の決定に参加しやすい社会、そして、国境を超えて、市民同士が協力できる社会です。

このような成熟した市民社会を創造していくために、私たちは、より一層の努力を傾けていくことはもちろんですが、法制度や税制度などの法的基盤を改善し、また、市民が、市民活動に安心して参加でき、大きな満足を得られるような社会的仕組みを構築していくことが重要であると考えます。

ここに、私たちは、制度を創造するという、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会の第一期目のプロジェクトの終結を確認し、新しい市民活動の社会的基盤づくりのため、以下の目的を掲げます。

「私たちは、社会に貢献する市民活動が、私たちの社会に欠くことができないものであるという認識にもとづいて、市民活動団体の財政的自立、市民活動団体に関わる制度の改善と充実を目標とする活動を行うことにより、市民活動とそれを支える社会制度を発展させ、成熟した豊かな市民社会を実現することに寄与することを目的とします。」

私たちは、この目的を実現するために、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会を、特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会として、法人化を行い、より強固な組織のもとで、この課題に取り組んでいくことを決意しました。

ぜひとも、私たちの活動趣旨にご賛同いただき、この活動への参加と協力をお願い申し上げます。さらに、私たちの活動に一人でも多くの市民の賛同と各界の理解と協力を得られることを切望し、ここに心から呼びかけるものです。

2007年8月2日

設立代表者 林 泰義


■【参考】「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会」設立趣意書 1994年11月

1.変わる社会と市民活動

今日、市民活動が新しい意味で注目を集めるようになってきました。

それは、人権、福祉、まちづくり、健康・医療、環境、国際協力、開発、女性の地位、教育、消費者問題、芸術・文化など、多くの分野にわたるだけでなく、国内問題から、国際的な規模の問題まで、幅広い活動を行うようになってきているからです。

これらの市民活動は、公益的な目標を掲げ、営利を目的とせず、市民の自発的努力と支持と参加に基礎を置き、活動の形態が多様である市民団体を核として行われていることが特徴です。

経済が安定成長の時代になり市民のニーズが多元化したこと、行政が提供できるサービスの限界が明らかになってきたこと、企業も市民社会の一員としての役割を模索し始めたことなど、これら市民活動の成長の背景には、新しい時代に向けての課題があると言えるでしょう。

行政や企業ではカバーすることのできない領域の拡大が、市民活動への期待を高めているのです。

2.日本の市民活動が抱える制度上の問題点

しかし、各市民団体がこれらの課題に応えようと努力すればするほど、市民活動を支える社会的基盤が弱いことに気がつきます。
特に問題なのが法人格の取得と財源の問題です。

日本では、市民団体が継続的な活動や事業などを行う際に信用を得るための法的基盤である法人格の取得に関しては、会社法人の場合と大きな格差があり、政府の許可が必要なため活動目的が制限されるなど、取得が難しいのが現状です。

また、英米では、広く市民団体への寄付行為に社会保険料控除のような税制上のインセンティブを設けることにより、市民団体の財源の確保を促進していますが、日本ではごく限られた法人にしかこの制度の適用はなされません。広く税制上のインセンテイブを設けることは、市民が自身の重要と思う公益的サービスに投資しやすくなるという点でも、市民一人ひとりの主体的活動を支援できるものです。

その他にも、市民団体の行う収入事業に対する課税率が高い等の問題もあります。

私たちは、これらの問題は市民活動の基盤を確立する上でも優先的に解決されるべき問題であると考えます。

3.新しい社会をめざして

現代社会が直面している諸問題は、私たち市民一人ひとりの責任において取り組むべき問題として現れています。私たちは、このような自覚に基づき、将来にわたりその責任を果たすべく、市民としての主体的な取り組みをさらに発展させていかなければなりません。

私たちがめざす社会は、互いに思いやり、助け合う社会、そして一人ひとりの意志と生き方を大切にする社会、市民が公共政策の決定に参加しやすい社会、そして国境を越えて、市民同士が協力できる社会です。

このような成熟した市民社会を創造していくために、私たちは、より一層努力を傾けていくことはもちろんですが、法制度や税制度などの社会環境を改善し、将来にむけての市民団体の発展と成長を促進していくことが重要であると考えます。

ここに私たちは、市民団体と市民による「市民活動を支える制度をつくる会C’s」を結成し、この課題に取り組んでいくことを決意しました。

全国の市民団体各位には、ぜひとも私たちの活動趣旨にご賛同いただき、この運動への参加と協力をお願い申しあげます。

さらに、私たちの運動に一人でも多くの市民の賛同と各界の理解と協力が得られことを切望し、ここに心から呼びかけるものです。

(1994年11月5日)

 

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